プロフィール

幼少期~学生期

  • 4歳からリトミックやソルフェージュの基本を学び、5歳からバイオリンとピアノ、6歳からジュニアオーケストラでアンサンブルの楽しみにふれる。
  • 兵庫県立西宮高校音楽科を経て相愛大学(在学中に東儀・斎藤奨学金を授与)を卒業後、スイスに渡りバーゼル音楽院にてスイス国家演奏家資格取得
  • ルツェルン大学にて修士課程オーケストラ専攻およびビオラ研究科を優秀な成績で修了。また在学中にルツェルン交響楽団に研修生として在籍しながら研鑽を積む。
  • 2016年夏にバーゼル音楽大学、大学院修士教育課程においてバイオリンとビオラ教授法専攻を修了
  • バロックバイオリン演奏も修得。日本では中学・高等学校教員免許一種 保持者。

近年の活動

国内はもとよりヨーロッパの数多くのコンサートや音楽祭においてソロ、室内楽及びオーケストラ奏者として参加し、特に著名な音楽家たちとの室内楽共演においては好評を博している。
2017年に日本に完全帰国し、関西を中心に演奏活動、コンサートやマスタークラスの企画及び通訳のほか、ヨーロッパにて修得した教育学を生かし、アレクサンダーテクニークやボディマッピングといった心身の使い方を、自身の音楽性を最大限に発揮させるための演奏法を中心に据える教育活動に勤む。

 

教育者を目指した理由

私は5歳の頃にバイオリンをはじめましたが、楽器の練習が苦手でした。
レッスンやお友達と合わせるアンサンブルは楽しいのですが、その後にどうやって練習していいのかがわからず、練習する気持ちがあっても???な状態。妙に器用な為、レッスンの中で上手に弾けても、家ではそれを持続できず、チンプンカンプン。日頃から姿勢も悪く、身体のコーディネーションが悪かったので、楽器を演奏する以前に楽器を持つだけで力が入ってしまい、弾くとすぐ疲れ、ガムシャラにやると痛くてパニック状態。周りの大人からは、たださぼっていると言われ、怒られては自己嫌悪に陥り、性格も捻くれていました。
いつも辞めようと思っていましたが、なんとなく高校の音楽科に進んでしまったために、周りのレベルの高さに圧倒され、とりあえず練習量を増やしてみると、肩の激痛。整形外科で泣きながら注射を打ってもらい、なんとか続けていた当時、アレクサンダーテクニークの小野ひとみ先生に出会うことになりました。そのレッスンをとおして身体の感覚が改善され、自分の演奏も変わりはじめました。
そんな紆余曲折を経て、人よりもスタートが遅かった分、人の何倍も頑張ろうと決め、大学卒業後すぐに渡欧することになりました。当時スイスにて師事していた先生が、ヴァイオリンが弾けることは、神様がくれた贈り物なんだよ!と言ってくれた時、それまでの苦労が救われたような気がしました。一流の素晴らしい音楽家である教授陣に恵まれ、忍耐強い教えを乞い、文化に寛容なヨーロッパではコンサートやオペラ、美術館をリーズナブルな学生向けのチケットで鑑賞し、本物の芸術に触れる機会が増え、感性が刺激され、また自分の中から湧いてくるインスピレーションを表現する楽しさに目覚めはじめ、モチベーションがどんどん上がっていきました。
演奏家として国内外でキャリアを積みながら活動し、駆け抜けた時代を経て、気がついた頃には、子供時代の自分の練習が苦手だった要因とつまづいてきたポイントが全て理解され解決されていたのです。

そんな時にふとこれまでの人生を思い返すと、私は周りの人たちや恩師に恵まれたからこそ、ここまで来れたけど、このような出逢いがなければ、どうなっていたんだろう???私の経験が次世代の子たちの役に立てたら!人が好きで、何かを伝えるのが好きだから、教育者になりたい、と思った私は幼少時の練習嫌いだった原因をより徹底的に突き止めるべく、国内外での演奏と教える仕事の合間に、再度2年間大学院に入り直し、ヴァイオリンとヴィオラの教授法に関わる教育学を学びました。
実技レッスンに加え心理学を学びながら、自分が教える生徒のレッスンをビデオにおさめ、心理学と教育学の専門家からアドバイスをもらう授業、”アレクサンダーテクニークとボディマッピングを取り入れたバイオリンとビオラのレッスン”という論文執筆、自宅やバーゼル音楽学校での実技レッスンを担当し、週末には飛行機に乗って、イギリスで室内楽を教えたりと過ごしてきました。
卒業後、日本で私のように困っている子がいたら助けてあげたい、これから楽器をはじめる子が私のような苦労をせずに、楽しく音楽を続けられる環境が作れたら、という思いで、完全帰国を決めました。

師事歴

これまでにバイオリンを加納千春、故東儀幸(元大阪音楽大学教授)、岸邊百百雄(元京都市立芸術大学学部長)、小栗まち絵(東京音大・相愛大学教授)、故Thomas Fueri(歴史に名を残す名教育家イヴァンガラミアンとマックスロスタルの弟子)、Sebastian Hamann(ルツェルン大学・フライブルク音大教授)、Barbara Doll(バーゼル音楽院教授)各氏、ビオラをIsabel Charisius(アルバンベルク弦楽四重奏、ルツェルン大学教授)、今井信子(世界を代表するビオラ奏者でありアムステルダム音楽院教授)各氏、室内楽を練木繁夫(インディアナ大学・桐朋学園大学客員教授)、故Walter Levin(ラサール弦楽四重奏)、Rainer Schmidt(ハーゲン弦楽四重奏)各氏のもとで研鑽を積んでいる。15歳より定期的に音楽家のためのアレクサンダーテクニークの指導を小野ひとみ氏より受けている。